2.2mm。マンチーニのスパゲッティの太さの話

パスタを選ぶとき、太さって、どのくらい気にしますか。
1.6mm、1.8mm、2.0mm、2.2mm……。 数字はいろいろありますが、「まあ、好みかな」と思っている方も多いかもしれません。
でも、この数字。 実際に食べてみると、意外と侮れません。
太さが変われば、火の入り方も変わります。 噛んだときの弾力も、ソースとの絡み方も変わる。 そして、小麦の風味の感じ方も変わってきます。
マンチーニのスパゲッティは、2.2mm。
なぜ、わざわざこの太さなのか。
まず感じるのは、やっぱりコシです。
パスタは太くなるほど、中心まで熱と水分が届くのに時間がかかります。 表面からゆっくり火が入り、中心には弾力が残る。
だから、噛んだときには外側だけではなく、中心からもしっかりとした弾力が返ってくる。
イタリアの料理人が「ネルヴォ」と呼ぶ、あの芯のあるコシです。
そして、そのコシが料理の中でも効いてきます。
濃厚なラグーやジビエのソースのように、味の輪郭が強い料理なら、しっかりとしたコシと小麦の風味があるから、ソースの強さにパスタが埋もれません。
濃いソースを受け止めながら、噛んだときにはちゃんとパスタが返ってくる。
一方で、魚介のソースのように、素材の繊細な風味を大切にしたい料理では、表面の細かな凹凸にソースがしっかりと絡み、パスタとソースが一体になります。
魚介の風味に包まれながらも、噛めばデュラム小麦の風味もしっかりと感じられる。
そして、オリーブオイルとチーズのようなシンプルな料理では、ソースの要素が少ないぶん、今度はパスタ自身の個性がよくわかります。
小麦の風味。 噛んだときの弾力。 口の中に残る余韻。
料理がシンプルだからこそ、パスタの違いがよくわかる。
濃厚なソースには、負けない。 魚介には、しっかり絡む。 シンプルな料理なら、自分自身がよく見えてくる。
強いのに、出しゃばらない。
この感じが、マンチーニの面白さなのだと思います。
そして、レストランの厨房では、ここにもうひとつ大事なことがあります。
パスタは、茹で上がった瞬間がゴールではありません。
ソースと合わせて、マンテカトゥーラをして、味を整えて、盛り付ける。 その数分間も、パスタは少しずつ水分を吸い続けます。
だから料理人にとっては、「アルデンテかどうか」だけではなく、アルデンテの状態をどれだけ保てるかも大切になります。
マンチーニのしっかりしたコシは、こうした仕上げの時間にも余裕をつくります。
茹で上がった瞬間だけおいしいのではなく、ソースと合わせ、皿に盛り、口に運ばれるまで、その食感が続いている。
これは、厨房にとって案外大きな違いです。
こうした性質が評価され、マンチーニはイタリアを代表する料理人たちの厨房でも使われています。
でも、これはレストランだけの話ではありません。
家庭で使うなら、まずは難しい料理を考えなくてもいいと思います。
トマトソースでも、アーリオ・オーリオでも、チーズだけでもいい。
むしろ、料理がシンプルなほど、2.2mmの理由はよくわかります。
いつものソースを変える前に、パスタを変えてみる。
パスタの太さなんて、ほんの小さな数字です。
でも、その小さな数字の向こう側には、
小麦の育て方から、製粉、成形、乾燥、そして最後に鍋の中でどう振る舞うかまで考えた仕事があります。
2.2mm。
数字だけ見れば、ただの太さ。
食べてみれば、少し話が違ってきます。
Quinto店頭にて、お取り扱いしています。
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