PRIMO AUTUNNO
2026年10月のディナー
CLucullo
ルクッルス|自分という客人


Il percorso
- 前菜
秋鰆と本日入荷魚の炙りカルパッチョ
知多牛スジと無花果、栗、タレッジョチーズのカルトッチョ
- パン
自家製パン盛り合わせ
- パスタ
三河湾産 雄ガザミの濃厚ビスク
殻ごと引き出した旨味をビスクに仕立て
- メイン
あいち鴨胸肉のロースト
カシスとローゼル 山椒香る赤ワインソース
- ドルチェ
クアトロ・フォルマッジョの球体ムース
愛知県産ビーツと熟成柿のティラミス
食後のお飲み物 と 小菓子
7,500円(税・サービス料別)
La storia
自分という客人をもてなす
Lucullo(ルクッルス)は、古代ローマの将軍であり、美食家としても知られる人物です。彼にまつわる逸話に、ある日、客人が来ないと知った召使いが簡素な食事を用意したところ、ルクッルスが「今日はルクッルスがルクッルスをもてなす日ではないのか」という趣旨の言葉でたしなめた、という話があります。
誰かを招く日には食卓を整えるのに、自分ひとりの日には簡単に済ませてしまう。そんな日常の感覚をひっくり返す逸話です。自分自身も、食事を楽しむに値する客人のひとり。今回の「自分という客人」というタイトルには、そんな考え方を込めています。
パスタは、三河湾産の雄ガザミを使った濃厚なビスク仕立て。蟹の殻などから引き出した旨味を生かし、素材の力強さをパスタにまとわせます。クリームの重さに頼るのではなく、蟹そのものの風味を中心に組み立てることで、濃厚でありながらも輪郭のある味わいを目指しています。ひと口ごとに広がる甲殻類の香りと旨味を、じっくりと楽しんでいただく一皿です。
メインは、あいち鴨胸肉のロースト。鴨の旨味を引き出し、赤ワインやカシスの風味、ローゼルや山椒のニュアンスを重ねたソースと合わせます。肉の力強さに果実味や酸味、ほのかなスパイス感が加わることで、味わいに奥行きが生まれます。
ルクッルスの逸話が伝えているのは、贅沢を競うことではなく、食事を楽しむ時間そのものを大切にする姿勢なのかもしれません。誰かのために用意する特別な食卓を、今日は自分自身のために。そんな気持ちで味わっていただきたいコースです。