PRIMO AUTUNNO
2026年10月のディナー
ERitratto
リトラット|二枚の肖像画


Il percorso
- 前菜
秋鰆と本日入荷魚の炙りカルパッチョ
知多牛スジと無花果、栗、タレッジョチーズのカルトッチョ
- パン
自家製パン盛り合わせ
- パスタ
赤ワイン香る牛挽肉とごぼうのボロネーゼ
トミーノチーズ添え
- メイン
愛知県産知多牛「響」ランイチのグリル
アペロールと熟成柿のバルサミコソース
- ドルチェ
クアトロ・フォルマッジョの球体ムース
愛知県産ビーツと熟成柿のティラミス
食後のお飲み物 と 小菓子
7,500円(税・サービス料別)
La storia
同じ素材が見せる、二つの表情
Ritratto(リトラット)は、イタリア語で「肖像画」を意味します。このコースでは、ひとつの素材が異なる表情を見せることを、二枚の肖像画になぞらえました。
着想のひとつは、オランダの画家レンブラントです。レンブラントは若い頃から晩年まで、数多くの自画像を描きました。同じ人物であっても、年齢や経験とともに顔つきや表情は変わっていきます。二枚の肖像画には、同じ人の中にある異なる一面が映し出されます。この考え方を、今回のコースでは牛肉に重ねています。
パスタは、赤ワイン香る牛挽肉のボロネーゼに、ごぼうとトミーノチーズを合わせた一皿です。牛肉をじっくり煮込むことで旨味を引き出し、赤ワインの風味が味わいに奥行きを与えます。さらに、ごぼうの土を思わせる香りが加わり、肉の濃厚さに独特の表情を添えます。トミーノチーズのまろやかさも、ソースとパスタをつなぐ役割を果たします。牛肉の旨味を中心に、煮込みならではの複雑さを楽しむ仕立てです。
一方、メインは愛知県産知多牛「響」のランイチをグリルで。牛肉を焼き上げることで、煮込みとは異なる肉の香ばしさや食感を引き出します。合わせるのは、アペロールと熟成柿のバルサミコソース。アペロールの柑橘やハーブを思わせる苦味、熟成柿の甘み、バルサミコの酸味が重なり、肉の旨味を別の角度から引き立てます。
同じ牛肉でも、挽いて煮込めば、赤ワインやごぼう、チーズと溶け合う深い味わいに。塊のまま焼けば、肉そのものの香りや食感が前に出て、果実や酸味との対比が生まれます。
二枚の肖像画が同じ人物の異なる一面を映すように、二皿の牛肉料理もまた、同じ素材の異なる表情を描いています。その違いを、食べ比べながら感じていただくコースです。